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石島 暖大; 上野 文義; 阿部 仁
Materials Transactions, 63(4), p.538 - 544, 2022/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)核燃料再処理機器に使用されているタンタルについて、除染作業での使用が想定される水酸化ナトリウム溶液における腐食挙動の時間依存性を浸漬腐食試験により調査し、経時変化の機構について表面観察および電気化学測定結果から検討した。浸漬腐食試験についてNaOH濃度は1から7mol/L、浸漬時間はそれぞれ、24から168hrとし、室温で行った。腐食速度はNaOH濃度とともに増加するが、浸漬時間によりピークを示しその後減少した。ピークまでの時間はNaOH濃度が高いほど短時間であった。浸漬腐食試験後に洗浄・秤量を行った試料表面のSEMおよびラマン分析では皮膜の生成はみられなかった。一方、分極抵抗は浸漬直後から減少した後に一定値あるいは増加を示した。分極抵抗の経時変化は腐食速度の変化と同じ挙動を示し、また分極抵抗の値は皮膜抵抗と電荷移動抵抗の和とおおよそ一致することから、腐食速度の経時変化は浸漬による皮膜生成に影響を受けることが示唆された。皮膜は主としてTaの溶解により生成するNaTaOであると考えられた。
石島 暖大; 上野 文義; 阿部 仁
材料と環境, 70(6), p.192 - 198, 2021/06
核燃料再処理機器に使用されているタンタルについて、除染作業での使用が想定される水酸化ナトリウム溶液における腐食挙動の時間依存性を浸漬腐食試験により調査し、経時変化の機構について表面観察および電気化学測定結果から検討した。浸漬腐食試験についてNaOH濃度は1から7mol/L、浸漬時間はそれぞれ、24から168hrとし、室温で行った。腐食速度はNaOH濃度とともに増加するが、浸漬時間によりピークを示しその後減少した。ピークまでの時間はNaOH濃度が高いほど短時間であった。浸漬腐食試験後に洗浄・秤量を行った試料表面のSEMおよびラマン分析では皮膜の生成はみられなかった。一方、分極抵抗は浸漬直後から減少した後に一定値あるいは増加を示した。分極抵抗の経時変化は腐食速度の変化と同じ挙動を示し、また分極抵抗の値は皮膜抵抗と電荷移動抵抗の和とおおよそ一致することから、腐食速度の経時変化は浸漬による皮膜生成に影響を受けることが示唆された。皮膜は主としてTaの溶解により生成するNaTaOであると考えられた。
斎藤 滋; Wan, T.*; 大久保 成彰; 大林 寛生; 渡辺 奈央; 大平 直也*; 木下 秀孝; 八巻 賢一*; 北 智士*; 吉元 秀光*; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011041_1 - 011041_6, 2021/03
原子力機構(JAEA)では、鉛ビスマス共晶合金(LBE)を核破砕中性子発生のターゲット並びに炉心冷却材として使用する、核変換用の加速器駆動システム(ADS)の研究をしている。中性子は、1.5GeVの陽子ビーム入射による核破砕反応によって生成される。ADS開発に重要な材料照射データを取得するため、J-PARCにLBE中性子生成ターゲットを備えた照射施設の建設を提案している。LBEターゲット実用化のためには多くの技術的な課題があり、JAEAでは様々な研究開発を行っている。腐食研究に関しては、OLLOCHIの調整運転と機能試験が開始された。LBE使用する上で重要な技術である酸素濃度制御技術の開発も行っている。大型LBEループ実験では、IMMORTALを使用して、定常および過渡状態の試験を行った。機器の分野では、LBEループシステムの重要な技術として、超音波流量計とフリーズシールバルブの開発を進めている。照射施設の設計に重要なLBE中の不純物挙動の研究も開始した。本論文では、JAEAにおけるLBE関連研究の現状と研究計画について報告する。
馬籠 博克; 飯村 光一; 松井 義典
JAEA-Technology 2020-022, 32 Pages, 2021/02
HR-1のカナル水中機器のうち挿入装置,取出装置及び崩壊タンクについて、カナル側壁部及びカナル底面部の耐震評価を実施した。この結果、同装置のカナル側壁接合部及びカナル底面接合部のボルト部並びにすみ肉溶接部の最大発生応力値が許容応力以内であることから、十分な耐震性を有することが確認できた。
堀口 賢一
技術士, 30(4), p.8 - 11, 2018/04
福島第一原子力発電所の廃止措置では、事前検証や操作訓練が他の原子力発電所の廃止措置に比べ、重要である。日本原子力研究開発機構楢葉遠隔技術開発センターでは、実測データを基に事故後の建屋内部状況を模擬したVRシステムや各種実規模大のモックアップ設備を応用して廃止措置に適用するための技術開発が行われている。これらを活用することにより確実かつ効率的な現地での作業への貢献が期待できる。本報では、これまでの原子力発電所での廃止措置におけるVRシステムの活用例を紹介し、VRシステムを活用することで廃止措置を進めるうえでどのような利点が得られたかをまとめる。また、福島第一原子力発電所の廃止措置に貢献することが期待されている楢葉遠隔技術開発センターのVRシステムについて、2017年1月に日本技術士会原子力・放射線部会での視察を踏まえ、その概要について報告する。
川端 邦明; 毛利 文昭*; 白崎 令人; 谷藤 祐太; 羽成 敏秀
Proceedings of 2017 IEEE/SICE International Symposium on System Integration (SII 2017), p.450 - 455, 2018/02
本論文は、遠隔技術による廃炉、特に福島第一原子力発電所を支援するための試験施設および設備について報告を行う。原子力機構楢葉遠隔技術開発センターでは、1F廃炉のための遠隔技術開発を支援するためのセンターであり、モックアップ階段、ロボット試験用水槽、モーションキャプチャなどを整備して、2016年4月から運用開始している。これに加えて、廃炉用遠隔操作ロボットの試験環境の設計、開発も行っている。本論文では、楢葉遠隔技術開発センターにおける試験施設や試験環境開発の現状について報告を行う。
川端 邦明; 鈴木 健太; 磯和 充*; 堀内 一憲; 伊藤 倫太郎
Proceedings of 14th International Conference on Ubiquitous Robots and Ambient Intelligence (URAI 2017) (USB Flash Drive), p.561 - 564, 2017/06
本論文では、遠隔操作ロボットのためのシミュレーションシステムの開発について報告する。開発中のシステムは、操作習熟度訓練およびロボット等の性能試験のために用いることを目的としたものであり、特に福島第一原子力発電所の廃炉に貢献するものである。シミュレータには産総研の開発したChoreonoidをベースにし、視覚的なノイズや通信障害などの機能を設計開発して実装している。また、水中ロボットのシミュレーションについても実装している。開発システムの現状について報告を行う。
野口 悠人; 丸山 孝仁; 武田 信和; 角舘 聡
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 9 Pages, 2015/05
本論文ではITERブランケット遠隔保守機器の地震解析について報告する。ITERではブランケット遠隔保守機器として軌道ビークル型を採用しており、円弧状の軌道を真空容器の赤道面に敷設し、数ヶ所のポートから強固に支持をとることで可搬重量の向上を実現している。そのため遠隔保守機器の地震に対する構造健全性を示すためには、ビークルの軌道上の位置および姿勢による系の動的応答の変化を評価する必要がある。今回、遠隔保守機器全体FEモデルを作成しビークルの位置・姿勢に関するパラメータサーベイを実施することで、遠隔保守機器の地震に対する最悪条件を特定した。全体FEモデル解析により得られた各部への荷重値を境界条件として用いて詳細な部分FEモデル解析を実施し、遠隔保守機器の主要機器の構造強度を検証した。これら二段階の解析により、ITER遠隔保守機器が安全停止地震(SSE)に対する耐震性を有することを確認した。
大平 茂; Luo, G.; 中村 博文; 洲 亘; 喜多村 和憲*; 西 正孝
Fusion Science and Technology, 48(1), p.621 - 624, 2005/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本報告では、プラズマ対向機器における現実的なトリチウム透過を模擬し、トリチウム透過量評価のためのモデル及び計算コードを検証するためのトリチウム透過試験体の新しい概念設計を示す。試験体は、TPLに設置されたITERのダイバータの照射条件(100eV以下の粒子エネルギー及び、高粒子束(1e+22/m/s))とほぼ等価の水素同位体プラズマビームを生成できるプラズマイオン源を使用する実証試験のために設計されている。試験体は、高粒子束のプラズマビームにさらされるプラズマ対向材が銅ヒートシンク上に接合されている多層構造のターゲットモジュールを備えており、銅のヒートシンクには加圧された冷却材(水)が閉じ込められている。予備実験のための試験体が製作され、繰り返し照射条件における接合部の熱的及び機械的挙動を確証するための電子ビーム照射試験が行われた。熱負荷試験後に、接合部に有意な欠陥等は観察されず、使用条件下における構造健全性が確認された。また、予備実験用試験体を用いTSTAで最初のトリチウムプラズマ照射試験を実施し、透過トリチウムの測定プロセスが確立された。中性子あるいは高エネルギーイオンビーム照射により欠陥等を模擬するターゲットモジュールを使用することについても考察する。
鈴木 哲; 上田 良夫*
日本原子力学会誌, 47(4), p.266 - 271, 2005/04
核融合炉の壁(第一壁とダイバータ)に入射する熱負荷とその軽減法,ダイバータの機能(ヘリウムの除去),壁材料に求められる条件と候補材料について説明するとともに、核融合実験炉ITERや発電実証炉を例に取り、プラズマに面する壁の構造を説明する。
長谷川 和男
Proceedings of 34th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High Power Superconducting Ion, Proton and Multi-Species Linacs (HPSL 2005) (Internet), 7 Pages, 2005/00
原研は、高エネルギー加速器研究機構と共同で大強度陽子加速器施設(J-PARC)の建設を行っている。この施設は、世界最大強度の陽子ビームを用いて、物質科学,生命科学,原子核・素粒子などの幅広い分野の研究を推進することを目的とする。この施設で用いる加速器は、リニアック(線形加速器),3GeVシンクロトロン,50GeVシンクロトロンの3基から構成され、多くの新しい研究開発をもとに建設を進めている。各加速器機器の製作や試験を行うとともに、リニアックや3GeVシンクロトロンは、建家への据付を開始する段階にある。これらJ-PARCの建設や機器の製作状況について報告する。
栗原 良一
JAERI-Tech 2004-052, 39 Pages, 2004/07
核融合動力炉の設計において、コンパクトな炉で高い核融合出力を達成しようとすれば、プラズマから第一壁やダイバータ板上に数MW/mの熱流束と高速中性子束が作用する。その場合、第一壁表面や材料中に微小き裂が発生する可能性は十分考えられる。微小き裂が疲労やクリープなどによって有意な寸法のき裂に成長した場合、第一壁の構造健全性は非常に低くなる。第一壁内をき裂が貫通すれば、核融合炉の安全性を脅かす要因の一つになりうる。本報では、このような使用環境にさらされるフェライト鋼またはSiC/SiC複合材料で製造した核融合炉第一壁が抱える構造健全性上の課題を整理した。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 江里 幸一郎; 濱田 一弥; 市毛 尚志; 礒野 高明; et al.
Nuclear Fusion, 44(2), p.329 - 334, 2004/02
超伝導トカマク装置へのJT-60改修が計画されている。原型炉に繋がる先進的な核融合技術として、JT-60改修装置(JT-60SC)の設計のために超伝導マグネット技術やプラズマ対向機器を開発した。JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル用として、高い臨界電流密度を可能とする、高い銅比4のニオブアルミ超伝導素線を新規に開発し、量産化に成功した。この素線と、突合せ溶接で作った全長30mの丸穴四角のステンレス製コンジットを用いて、実機サイズのケーブル・イン・コンジット導体を製作した。この導体を使用して、リアクト&ワインド法(熱処理後に巻線作業を行う製作方法)を実証するR&Dを進めている。ニオブアルミ導体の歪み劣化が小さいことを利用したこの製作方法は、将来の大型コイル製作の技術的な信頼性向上と低コストに繋がる先進的な超伝導技術として注目されている。JT-60SCのダイバータへの熱負荷10-15MW/mに耐える機器として、スクリュウ管を銅製ヒートシンクに設け、これと炭素繊維複合材,緩衝材を一体ロウ付けすることで、良好なプラズマ対向機器を開発した。電子ビーム照射試験により、この対向機器は従来のスワール管の場合と比較して約1.5倍の高い熱伝達率を達成することを明らかにした。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 江里 幸一郎; 濱田 一弥; 市毛 尚志; 礒野 高明; et al.
Nuclear Fusion, 44(2), p.329 - 334, 2004/02
被引用回数:7 パーセンタイル:22.88(Physics, Fluids & Plasmas)超伝導トカマク装置へのJT-60改修が計画されている。原型炉に繋がる先進的な核融合技術として、JT-60改修装置(JT-60SC)の設計のために超伝導マグネット技術やプラズマ対向機器を開発した。JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル用として、高い臨界電流密度を可能とする、高い銅比4のニオブアルミ超伝導素線を新規に開発し、量産化に成功した。この素線と、突合せ溶接で作った全長30 mの丸穴四角のステンレス製コンジットを用いて、実機サイズのケーブル・イン・コンジット導体を製作した。この導体を用いて、リアクト&ワインド法(熱処理後に巻線作業を行う製作方法)を実証するR&Dを進めた。ニオブアルミ導体の歪み劣化が小さいことを利用したこの製作方法は、将来の大型コイル製作の技術的な信頼性向上と低コストに繋がる先進的な超伝導技術として注目されている。JT-60SCのダイバータへの熱負荷10-15MW/mに耐える機器として、スクリュウ管を銅製ヒートシンクに設け、これと炭素繊維複合材、緩衝材を一体ロウ付けすることで、良好なプラズマ対向機器を開発した。電子ビーム照射試験により、この対向機器は従来のスワール管の場合と比較して約1.5倍の高い熱伝達率を達成することを明らかにした。
堤 英明*; 蛯沢 勝三*; 山田 博幸*; 柴田 勝之; 藤本 滋*
日本材料学会JCOSSAR 2003論文集, p.829 - 836, 2003/11
原研では、原子力関連機器に免震技術を適用する際の有効性を確率論的手法に基づいて評価する手法について研究を実施している。本報では、炉心損傷頻度(CDF)の低減効果を設計目標として、CDFの低減に寄与する安全上重要な機器を選定して免震設計を行い、地震PSA手法を応用してその有効性を評価する手法を提案した。また、本手法及び機器免震化の有効性を検証するために、モデルプラントを想定して、外部電源喪失事象について応答係数法を用いて炉心損傷頻度(CDF)の試評価を行い、重要機器を免震化した場合の非免震プラントに対するCDFの低減効果を算定した。その結果、がい管付き起動変圧器と非常用ディーゼル発電機を免震化した場合に、炉心損傷頻度の低減効果が大きく、免震化によりこれらの機器の加速度応答が非免震機器の1/5に低減されると、1/100程度まで炉心損傷頻度が低減する可能性があることが明らかになった。さらに、非常用ディーゼル発電機について免震設計を行い、地震応答解析によって1/6程度に加速度応答を低減できることを確認した。
神永 雅紀; 羽賀 勝洋; 木下 秀孝; 鳥井 義勝; 日野 竜太郎; 池田 裕二郎
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 1, p.125 - 133, 2003/07
物質・生命科学実験施設は、中性子実験施設とミュオン実験施設及びこれらの施設に1MW(3GeV, 0.333mA)のパルス状(25Hz)陽子ビームを輸送する陽子ビームラインから成る。施設の中心となる実験ホールは、陽子ビームラインを挟んで両側にそれぞれ設け、設置する分光器を想定したうえで23本の中性子ビームラインを配置した。さらに、実験ホール外側には実験施設の将来の拡張に備え必要な敷地を確保した。ユーザーが使用できる区画と施設の運転・保守に必要な区画を区分するために、ユーザールーム,実験準備室等は陽子ビームライン下流側に設けたユーティリティ施設の2階部分に設けた。放射線管理区域への入退域は2階に設けた入退域エリア(汚染検査室)において集中的に管理する設計とした。ユーザー施設以外には、施設の運転に必要な水銀ターゲットシステム遠隔保守・交換用大型ホットセル,放射化機器保管設備,水銀ターゲットシステム冷却設備など主要な設備を施設内に配置した。本報告では、これら設計の現状について述べる。
加熱工学研究室
JAERI-Review 2003-010, 246 Pages, 2003/03
平成13年度のPSI合同研究会が、2002年3月15,16日に那珂研究所において開催された。本研究会は、ITER,JT-60,LHD等の核融合装置におけるプラズマ表面相互作用やプラズマ対向機器の研究開発に関する最新の研究成果を発表するものであり、研究会では合計27件の講演が行われた。本報告書は、講演要旨及び講演で使用されたOHPをまとめたものである。
半澤 有希子; 間柄 正明; 渡部 和男; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 郡司 勝文*; 桜井 聡; 高野 清之丞*; 臼田 重和; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(1), p.49 - 56, 2003/01
被引用回数:4 パーセンタイル:31.59(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所は、ISOクラス5の清浄度を持つクリーンルーム施設として、高度環境分析研究棟(CLEAR)を整備した。本施設は保障措置,包括的核実験禁止条約遵守検証及び環境科学にかかわる研究を目的として、環境試料中の核物質の分析を行うための施設である。本施設は、外部からの汚染を避けるというクリーンルームの要件と、日本の法規に従って核物質を使用するため、放射性物質を施設内に閉じこめるという、相反する要件を両立するように設計した。本施設は湿式化学処理、機器分析及び粒子試料の処理を行えるものとした。核物質を取り扱うための清浄な作業面を確保するため、クリーンフードを特別に設計した。腐食性の酸の使用のため、建設資材の選択に多大な注意を払った。クリーンルームの性能及び実験室における分析上のバックグラウンドについて議論した。本施設はIAEAネットワーク分析所に参加するのに申し分ない仕様を持っており、環境試料中のサブピコグラムレベルの極微量核物質分析が可能になった。
松田 誠; 竹内 末広; 吉田 忠; 花島 進; 藤井 義雄*
第14回加速器科学研究発表会報告集, p.170 - 172, 2003/00
原研タンデム加速器では得られるビームのエネルギー,強度,イオン種の拡大を目的に高電圧端子内にECRイオン源を設置している。計画の第1段階で、基本的な技術の取得及び機器の開発のため、加速器本体に大きく手を加えることなく搭載することが可能な小型のイオン源を設置した。現在、高電圧端子内ECRイオン源により、ヘリウムを除く希ガス及び水素,窒素,酸素の加速が行われている。今回は計画の第2段階として14.5GHz, 200Wの永久磁石型ECRイオン源を設置する予定である。これによりさらに高多荷イオンの生成が可能となりビームエネルギー・強度ともに現状以上に増強することができる。これまでに試験台にてビーム生成試験及び動作特性の測定を行った。また特殊な環境下である端子内に設置される機器に対する新たな制御方式の開発を行っている。
斎藤 滋; 深谷 清*; 石山 新太郎; 佐藤 和義
Journal of Nuclear Materials, 307-311(2), p.1542 - 1546, 2002/12
被引用回数:37 パーセンタイル:89.13(Materials Science, Multidisciplinary)現在、ITER等の核融合炉の設計において、ダイバータ装置のアーマー材としてW(タングステン)合金の適用が検討されており、冷却構造体である銅合金との接合技術を開発する必要がある。われわれは、高い信頼性や強度を得られる接合法として注目されている熱間等方加圧(Hot Isostatic Pressing; HIP)法を用いたWと銅合金の接合技術の開発に着手した。Wと無酸素銅の直接接合の最適接合条件は1000・2時間・147MPaで、接合強度はHIP処理した無酸素銅とほぼ等しい。一方、Wとアルミナ分散強化銅との接合は、残留応力や酸化物の形成により、直接接合は困難であるが、両者の間に厚さ0.3mm以上の無酸素銅を挟むことで接合が可能となった。引張り試験の結果、厚さ0.3~0.5mmでは高温で接合強度が低下するため、厚さ1.0mm以上の無酸素銅間挿材が必要である。このときの強度はW/無酸素銅接合体やHIP処理した無酸素銅の強度をやや上回った。